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[敗れ去りし者たちの物語]【米子北】1年目の指揮官が伝えたかったこと/高校サッカー選手権 特集

2017/1/9 16:44


Photo:Norio Rokukawa
 選手権のトーナメント表は大きく4つのブロックに分かれるが、Aに前回王者の東福岡、Bに高円宮杯で日本一に輝いた青森山田、Cに高校総体王者の市立船橋と優勝候補がそろう中、“本命不在”と言われたDで最も躍進の期待が高かったのが米子北だった。高校総体で8強に進出したチームはプリンスリーグ中国で1位となり、プレミアリーグ参入戦でも東京Vユース、札幌U-18と、クラブユースの猛者を次々と撃破した。
 そのチームを率いてきたのは就任1年目の中村真吾監督。03年からコーチとして指導にあたり、米子北を全国区の強豪に引き上げた城市徳之総監督から今春にチームの指揮権を引き継いだ。「1年目という意識はあまりなくて、城市先生の監督10何年の続きだと思っているし、今までどおり」と語る中村監督。1回戦で旭川実に3-0と快勝し、エースのFW伊藤龍生も2得点と理想的なスタートを切った。しかし、2回戦では[4-5-1]で守備を固める佐野日大から得点を奪えず、逆に相手の少ないチャンスからオウンゴールで失点。終盤の猛攻も実らず、無念の敗退となった。
 試合後は「何とか力づくでやってやろうと思った判断が結果を見ると間違っていたのかな」と淡々と語った中村監督だが、この1年に関する質問が出ると、急に涙で言葉を詰まらせた。「この学年(3年生)に関しては1年生のときから指導が伝わりにくく…下手とかではなくて、なかなか人のためにできない学年だった。人の気持ちとかを学ばせて、そこでちゃんとやっていればいいことがあるんだよと伝えたかった」。その思いは、伊藤が「中村先生にはチームを一つにすることを学ばせてもらいました」と語るように、選手たちにしっかりと伝わっていた。(河治 良幸)

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