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[男たちの決断。新たなる船出]【C大阪】決して無駄ではない、愚直に自らと向き合った日々/Jリーグ特集

2017/1/10 6:00


DF 小谷 祐喜(C大阪→熊本)

 J1昇格を目標に戦った昨季。C大阪は新たな試みもスタートさせた。C大阪U-23を発足し、J3を舞台に戦ったのだ。練習がまったく別のトップチームとU-23の選手の行き来は適宜行われたが、オーバーエイジとしてU-23でプレーする選手の心中は穏やかではなかった。そんな中、シーズン開始からオーバーエイジとしてU-23に回ったのが小谷だった。
 U-23のCBの池田と庄司がけがで出遅れ、トップチームのCBがそろっていた状況に加え、「実力も足りなかった」と本人も認めたが、一度もトップチームで勝負できない悔しさはあったはず。それでも小谷は若手に混じって練習から真摯に打ち込んだ。血気盛んな後輩とぶつかることもあったが、ある意味、悶々としていたU-23に常に熱を注入していた。そんな折、7月に熊本への期限付き移籍が決まった。
 移籍前最後の試合となったJ3第18節の相模原戦(2△2)では、1-2で迎えた後半ロスタイムに劇的同点弾を決めた。「得点は自分の課題だけど、今日に関しては最後のご褒美が上乗せされた」と笑った小谷。前日にはトップチーム全員の前で挨拶し、引き上げてくるその目からは、大粒の涙がこぼれていた。「自分はヘタクソだったぶん、本当にお世話になった方も多い。熊本で試合に出ることが恩返し。サッカー人生を懸けた挑戦」と熊本移籍について語った。
 熊本ではJ2リーグ戦10試合に出場し、主力として活躍。そして、シーズン終了後に熊本への完全移籍が発表された。昨季のJ2最終節(C大阪vs熊本)では契約の都合上出場できずも、チームに帯同。「J2でプレーするチャンスをくれた熊本に感謝しているし、もっと熊本の力になりたい」とも話していた。 C大阪では、常にもがいていた印象が残る小谷。「もう一度セレッソで勝負したい」という思いも叶わなかった。それでも、愚直に練習から自らと向き合った日々は、決して無駄ではない。

小谷祐喜(こたに・ゆうき)1991年7月27日生まれ、25歳。大阪府出身。180cm/76kg。C大阪U-15→関西大一高→関西大→C大阪→相模原→C大阪を経て、昨季7月に熊本に期限付き移籍。17年、熊本に完全移籍で加入。J2通算10試合出場。J3通算39試合出場2得点

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