ネルシーニョ体制3年目。集大成を発揮するとき
神戸の新シーズンは“大型補強”とともに始まった。2ndステージでタイトル争奪戦に名乗りを上げ、年間順位をクラブ過去最高の7位で終えた昨季。鍛え抜いた“個”に、さらなる“個”を豪快に上積みし、初タイトルに照準を合わせた今季。ネルシーニョ監督の集大成がいよいよ披露されるときがきた。
20日に開催された新体制発表記者会見。指揮官は舌鋒鋭く意気込みを伝えた。「本気でタイトルを狙えるチームを指揮できることにやりがいを感じている」。居並んだ新加入の選手は、各クラブで実績を残した者ばかり。14年にG大阪の三冠に貢献した大森晃太郎、明晰な頭脳と激しいプレーが特徴の高橋秀人(FC東京)、さらに、ネルシーニョ監督が率いた柏でタイトル獲得に貢献した田中順也(スポルティング)や渡部博文(仙台)ら。“元日本代表”や“タイトル経験者”など豪華な枕詞が彩った。
選手補強の肝は、けが人や出場停止などで主力を欠いても、チーム力を落とさず1年を戦い抜けるか。先発メンバーを脅かす強力な控え選手をそろえ、競争のレベルを一段引き上げることだった。90分の戦況をわずか一つの手で劇的に変える“魔術”も指揮官の魅力だが、その選択肢が一気に増えた格好だ。熟練の戦術家はこの日、決して相好を崩さなかったが、心の中で快哉を叫ぶ声は隠せなかっただろう。
20日時点で、戦力を高めることを目的とした補強は十分に完結したと言える。ただ、次なる焦点は噂に上がっている世界的ストライカー、ルーカス・ポドルスキ(ガラタサライ)の獲得動向。加入するなら、共存の可能性を全員で追求する必要がある。いずれにせよ、クラブ初のタイトル獲得への準備は整った。(小野 慶太)