MF レオ シルバ(新潟→鹿島)
“新潟の心臓”が、いなくなった。13年の加入以来、新潟の攻守の要として活躍したレオ・シルバ。J屈指のボールハンターとして、その名は広まった。球際に寄せたかと思うと、巻き取るようにボールを奪う。それがファウルにならないところが持ち味だ。自身が14年のベストゲームに挙げたJ1第7節・鹿島戦(2○1)で、カウンターで持ち上がった柴崎の正面から、魔法のようにボールをすくい取った場面は、ハイライト番組でも取り上げられ注目を集めた。
4年連続でJ優秀選手に選ばれ、14年にはベストイレブンに選出された実力者。人間性にも優れ、ピッチでは学んだ日本語で指示を出し、プロ意識の高さやリーダーシップでも若手に好影響を与えてきた。
16年夏に移籍の噂が出た際、レオ・シルバは報道陣に対して誠実に答えた。「二つの意味でうれしい。一つはアルビが僕を離したくないということ。もう一つは、ほかから誘いがあるのは僕の力が認められているということ。ただ、何があってもアルビのサポーターに対して愛情があることは変わりない」。この段階での移籍はなくなったが、力を求められることに対して気持ちが揺れていたのは事実だろう。
昨季、J1残留を決めたあとの心境を聞くと「新潟は素晴らしい練習環境があり、偉大なサポーターもいる。応援に応えるために、タイトルを争うチームにならなければいけない。自分も“そこ”を目指してやってきた」と話した。そして、レオ・シルバは、チャンピオンチームに迎えられた。
しかし、ボールハンターのDNAは新潟に残された。背番号8を継いだ小泉は「ずっと背中を見てきたし、一番身近な手本。鹿島とはバチバチやる」と燃える。新人の原輝綺も、憧れの存在にレオ・シルバの名を挙げる。新たな新潟の心臓は、もうすでに脈打ち始めている。鹿島との対戦時は、その球際のマジカルな攻防に注目したい。(野本 桂子)
レオ シルバ(LEO SILVA)
1985年12月24日生まれ、31歳。ブラジル出身。181cm/76kg。URT→クルゼイロ→イパチンガ→クルゼイロ→イパチンガ→ボタフォゴ→グアラティンゲタ→ポルトゲーザ(すべてブラジル)を経て、13年に新潟に完全移籍で加入。17年、鹿島に完全移籍。J1通算122試合出場16得点。