一昨季、現行体制になって初のJ1残留を成し遂げた湘南だったが、その活躍もあって永木(鹿島)や遠藤(浦和)、秋元(当時・FC東京)といった主力選手たちが上位クラブへ移籍。彼らが旅立った影響は大きく、昨季はシーズンをとおして苦しい戦いが続き、最終的にはJ2降格という現実に直面した。例によって、今冬も菊池(浦和)や三竿(鹿島)、長谷川(大宮)らが旅立ちを決意。チームは新たなサイクルに入るための補強に迫られた。
それでも今オフは変化を求めたというよりも継続路線に近い。毎年、新加入組の多くがスタイルへのフィットに期間を要し、既存戦力との融合に時間が掛かる傾向にある。そのためチーム戦術を理解した選手の慰留が最優先であり、その上でピンポイント補強と未来を見据えた戦力確保が必要だった。
その点を踏まえても、今回の補強は満点に近い出来だろう。特に重要なセンターラインには、競合の末に獲得した秋野央樹をボランチに確保。GKには秋元陽太が復帰を果たし、チームを離れる可能性のあったアンドレ・バイアとジネイの二人を慰留させることにも成功している。昨季、けがで悔しいシーズンを過ごした菊地が戦線に復帰し、高山や山田の2列目が健在ということを考えれば、充実のセンターラインができ上がったと言っても過言ではない。
さらに杉岡大暉や表原玄太のような若手の補強にも積極的に動き、前線で新たな特徴を持つ野田隆之介も獲得した。あとは指揮官が言うように「このチームの選手たちに、何ができて、何が足りないのかをしっかり考えてシーズンに臨みたい」。3年ぶりに挑むJ2の舞台で、再び暴れ回る準備は整っている。(林 遼平)