攻撃主体のスタイルを志向する点は昨季から大きく変更はない。しかしながら、リカルド・ロドリゲス監督が志向するスタイルは、昨季までの縦に速い攻撃や両サイドを起点としたものとは異なる。ボールを保持しながらピッチを幅広く使い、数的優位なスペースを探りながら効果的な形を意図的に作り上げていく。守備面でも前線から積極的にプレスを掛け、相手陣内へ押し込んだ状態を継続して、主導権を握る戦い方を浸透させようとしている。
そういったことを実現するために獲得した選手や契約更新した選手の特徴が現段階ではうまくフィットしている。昨年末にロドリゲス監督就任のリリースが発表されたが、今季に向けて強化部と監督の間でしっかりと意思疎通が取れた中で編成が組まれたと感じられる。
守備陣にはGKも含めてビルドアップが要求されているが、パスをさばく技術やドリブルで持ち運べるタイプが増えた。昨季までビルドアップを得意としていなかった選手もトレーニングを重ねる中で顕著に成果が表れている。攻撃陣にはサイドが得意な選手が増え、3バックでも4バックでも状況に応じてシステム変更が可能。さらに、中盤では前川や杉本太郎といったプレッシャーをものともせずに相手の間でボールを受ける技術のある選手が軸となり、流動的に人もボールも動く形が見え始めている。
精神的支柱という面ではリーダーの資質がある岩尾が主将に就任。副主将には石井、濱田、GK長谷川といった徳島で経歴の長い選手を据え、岩尾も頼りにしている冨田というベテランがどっしりと構えている点もバランスが良い。(柏原 敏)