試しながらの優勝。二兎を手にした横浜FC
ここまで2勝で優勝を狙う横浜FCと、2連敗の長崎との一戦は、長崎が前半終了間際に先制するも、横浜FCが後半開始早々に追い付いて引き分けに持ち込み、ニューイヤーカップ宮崎ラウンドを制した。
日差しは穏やかだったが、初戦と第2戦にはなかった強風が吹き荒れた。風上の長崎は攻撃時も最終ラインを押し上げず、後ろでボールを持ちながら徹底して裏へのロングボールを狙う。横浜FCはその誘いに乗らず、コンパクトさを保って中盤でボールを奪い、ショートカウンターで応戦。どちらのペースとも言い難い中で時計は進み、前半ロスタイムに島田のCKから田上が頭で押し込んで長崎が先制する。
しかし、横浜FCはここまで後半に強さを見せてきた。「点を取らなければいけないと、強い気持ちで入った」と、2トップの一角に入ったナ・ソンスが、それを実行する。48分、GK南のロングボールに津田が競り、こぼれ球を前嶋が収めた瞬間、「前嶋を信じて」スペースに走った。「ソンスは足が速いし、何かやってくれる」と、前嶋はスルーパスを選択。角度のない位置だったが、「何百回もジミーさん(中田監督)に言われてきたように」、ナ・ソンスは落ち着いて流し込んだ。「優勝を意識してやれ。引き分けることも悪いことではないぞ」と、中田監督は選手たちに告げていた。71分の長崎の決定機はGK南が阻止。終盤は永田をサイドハーフの位置に投入し、時に5バック気味になりながらも、長崎の猛攻に全員が体を張って守り切った。
この試合の先発には、昨季の主力クラスは3人しかいなかった。「いろいろな選手を試しながら、同時に優勝も狙う」。試合前に指揮官が宣言したとおり、横浜FCが最高の結果を手にした。(芥川 和久)