新戦力を融合させているこの時期に、内容をどこまで求めるかは難しい。しかし、両監督とも一定の手ごたえは感じられたのではないか。互いの守備面が際立つ90分だった。
レアンドロ、レオ・シルバ、三竿雄、クォン・スンテと4人の新加入選手がピッチに立った鹿島はそれ以外を昨季の主力で固めた。いわば今季初めてリーグ戦やACLを見据えた陣容は、ポゼッション率では福岡を圧倒した。
攻守に切り替えが速く、ボールを失えば素早く激しく寄せて相手の選択肢を限定する。苦し紛れのパスが入ればインターセプト。攻撃に移る動き出しも速く、石井監督も「思った以上に体が動くようになってきた」と評価した。
しかし、細かな部分でミスが出る。攻撃陣が流動的な動きからチャンスを作る場面もあったが、ラストパスがズレ、折り返しのクロスが合わない。38分には鈴木のポストプレーからシルバがペナルティーエリア内に侵入し、金崎へとつながったがシュートは打てず、絶好機を逸してしまった。
それでも49分に左CKから鈴木が左足を合わせて先制点を奪う。4戦4発という好調ぶりで少ない決定機をモノにした。
福岡も後半から登場したウェリントンが強さを発揮して起点を作り、同じく後半途中からピッチに立った邦本が77分にシュートを放つも、これをGK曽ケ端が右足1本で阻止。その後は、互いにチャンスは作れないまま1-0で鹿島が勝利した。
鹿島のシュート7本に対し、福岡も6本と攻撃面に課題を残したのも、この時期ならでは。石井監督が「もっと多く崩すことができなかったのが残念」と課題を挙げれば、井原監督も「最後のところまでは作らせてもらえなかった」と反省していた。
ただ、鹿島について言えば新戦力が入ってもやろうとするサッカーは表現できていた。ここからは練度をどれだけ高められるかにテーマが移る。(田中 滋)