鮮やかな逆転劇。今季の横浜FMは一味違う
横浜FMが新たな門出を勝利で飾った。昨季の年間勝点1位・浦和との激しい殴り合いを制し、白星を奪取。新時代の旗手である喜田は「クラブのスタッフとファン・サポーターが、『やれる』という空気感を作ってくれたことに感謝したい」と満面の笑みを浮かべた。
今季のJリーグファーストゴールとなった先制点は、新たに加わったダビド・バブンスキーの左足から生まれる。13分、左サイドを突破した齋藤からのマイナスパスをダイレクトで狙うと、シュートは鮮やかにゴールネットを揺らす。チームに勢いをもたらしたテクニシャンは「すべてはトレーニングの賜物」と謙遜した。
対して、浦和も意地を見せる。前半こそ1点ビハインドで折り返したものの、後半に入って怒涛の攻撃を開始。63分、途中出場の関根からの右クロスを受けたラファエル・シルバが巧みなトラップでDFをかわし、流し込む。さらに65分には柏木からの浮き球パスを頭で合わせ、あっという間に逆転に成功した。
しかし今季の横浜FMは一味違う。1-0の状況で迎えた決定機を決め切れず、失点の遠因となった齋藤は「後半に決定機を外してしまって、そのあと2失点したのでメンタル的にしんどかった」と本音を吐露したが、「我慢すればチャンスがやってくると思っていた」と視線を上げていた。新主将で新たに背番号10を背負うリーダーの意思はチームに伝染していく。
86分、天野の左CKから途中出場のウーゴ・ヴィエイラが得意のヘディングシュートを決めて同点。そして後半ロスタイムに劇的なドラマが待っていた。この試合、何度も左サイドを切り裂いた齋藤が再びボールを持って攻め込む。相手選手を引き付け、ゴール前へラストパス。走り込んだ前田が正確な一撃を放つと、これが見事に決まり決勝点となった。
オフシーズンにピッチ外で話題をさらった横浜FMが、ピッチ内で結果を示す。勝利という何にも変え難い収穫とともに、大きな第一歩を踏み出した。(藤井 雅彦)