松本に異変。横浜FCは安定の守備と攻撃の個を披露
試合後、反町監督が「われわれらしさが3分の1しか出せなかった」とうなだれたように、この日の松本はどこかおかしかった。
序盤、ロングボールと肉弾戦で優位に立ったのは松本だった。セカンドボールを回収してチャンスにつなげ、横浜FCを押し込む。10分には橋内のクロスから高崎の頭という得意のパターンでゴールを脅かした。しかし16分に野村の先制弾を浴びると、その後は足元でつないでの地上戦に固執。
バイタルエリアでセルジーニョが前を向いてしかけるが、精度の問題で好機になる場面は少ない。そもそも前線に至るビルドアップは熟成されておらず、横浜FCのコンパクトな守備網にかかってはカウンターを浴びた。77分には工藤を下げて三島を投入。いよいよロングボール攻勢をしかけるかと思われたが、それも交代直後だけ。終盤にはCBの飯田を前線に上げるも、ほとんど放り込むことなく中盤やサイドでボールを失い、飯田は虚しく最終ラインに戻る繰り返し。試合序盤と前半終了間際のパワープレーでは明らかに横浜FCが苦しんでいた。相手のイヤがるサッカーと自分たちの長所が一致しているにもかかわらず、松本はそれを徹底しようとはしなかった。
一方の横浜FCは中田監督が「キャンプから続けているプレーを実行してくれた」と選手を讃えたように、プレーに迷いがなかった。「守備はしっかりしているし、余裕を持って守れた」と、佐藤は手ごたえを口にした。攻撃では前線で起点となり続けたイバに加えて、ジョン・チュングンが抜群のスピードと競り合いの強さでチームを助けた。昨季は2敗を喫した自動昇格候補に完勝し、「自信も付いたかな。波に乗れると思う」(佐藤)と、最高のスタートを切った。(芥川 和久)