してやったり。青黒は終了間際に辛うじて同点弾
土壇場の失点で勝ち点3を逃した甲府に対して、執念で引き分けに持ち込んだG大阪。互いに勝ち点1を分け合う結果に終わった開幕戦だが、試合後の両ゴール裏の反応はまるで対照的だった。英雄を迎えるように選手たちを誉め称えた甲府サポーターに対して、G大阪のゴール裏はブーイングで出迎えた。
ACLですでに公式戦をこなしているG大阪に対して、甲府は新体制の初戦。立ち上がりに主導権を握った大阪の雄が、一方的に甲府を押し込むものの、5バックと3人のMFで徹底した“人海戦術“を採用する甲府もなりふり構わない専守防衛で対抗する。
もっとも、甲府の吉田監督は単に人を割いて守らせていたわけではない。「相手も中を締めていたし、クサビに対するコースがほぼ切られていた」(長沢)。新布陣の生命線である今野と井手口が攻めに絡めず、放つシュートは苦し紛れなものばかり。43分にロングボールを起点に今野がゴール前で放ったシュートが前半は、両チーム唯一の決定機だった。
試合が動いたのは後半早々の55分、この試合最初の枠内シュートで甲府が先制する。「自分たちが意識して練習してきた形」と吉田監督はしてやったりの表情だった。G大阪も苦しいベンチ事情の中、堂安や泉澤を投入。サイドから崩しにかかるも、勢いづいた甲府を押し切れない展開が続く。
甲府が悔やむとすれば、カウンターから繰り出した72分の新里の強シュートがわずかに枠を外れたことだ。そして互いに攻め手を欠き、甲府リードのまま進んだ後半ロスタイムにG大阪はFKを頭で合わせた今野の一撃で辛うじて同点に。甲府の現実主義の前に、G大阪は悔しい引き分け発進を強いられた。(下薗 昌記)