プレーに迷いなし。大分、J2復帰戦となった九州ダービーで勝利
この日の3ゴールはいずれもセットプレーからだった。大分の松本が決めた先制ゴールはFKのはね返りを蹴り込んだもの。前半終了間際の福岡の同点ゴールは約19mのFKを駒野が右ポストに当てながらねじ込んだもの。そして、試合終了間際の大分の決勝点はCKをGK杉山がファンブルしたところを、鈴木義が蹴り込んだものだった。
勝った大分の片野坂監督は「ラッキーな面があった」と話したが、相手がFKやCKを与えずにはいられない状況を作ったこと、またロスタイムにようやく結果が出たものの、後半の主導権を大分が握っていたという事実からしても、大いに胸を張ってよいJ2復帰戦での勝利だったと言えるだろう。
2年ぶりの九州ダービーで何が勝敗を分けたのか。それは“準備”の差ではなかったか。福岡は大分のウイングバックを起点にしたサイドアタックや1トップ2シャドーへの警戒心は持っていたが、抑え切れなかった。主将の三門は「いろいろな場面で相手が先に動き出していた。かなり準備してきたのだろうし、決まりごとがあったから、それも可能だったのでは」と話した。この言葉が示すように、大分は狙いを表現する手段が明確だったからこそ、プレーに迷いがなかった。
先制ゴールを挙げた松本と岩田の両ウイングバックは攻撃時に後藤と三平を越えて1トップの林と並ぶ位置にポジションをとった。「相手の守備陣をかく乱できるし、僕らが中に切れ込むのではなく外に張ってプレーすることで、それも維持できるから」と、高いポジショニングの意図を語った松本。自信がなければできない策だが、それが可能だったのは“十分に準備してきた”との自信があったからではないだろうか。(島田 徹)