ゲームをほぼ手中に収めながら、岡山は試合終了間際に勝利をつかみ損なった。「非常にもったいないゲームではあるが、学べということ」。長澤監督は自らに言い聞かせるようにそう語った。1万人を超える観客の後押しを受けてホーム開幕戦に臨んだ岡山は、中盤の攻防を制して勢いよく敵陣へ侵入していった。「前の3人の特徴を生かそうとみんなで意識してできた」と喜山。ダイアゴナルに走って前線をかき回す豊川、相手のギャップを突いてゴールへ向かっていく大竹に、ボランチに入った伊藤が質の高いパスを供給していく。岡山は果敢に熊本陣内でプレーを続けながらもゴールネットを揺らせず前半を折り返したが、後半立ち上がりに加地のクロスに豊川が飛び込んで先制点を奪取した。
その後も試合のペースは岡山が握った。清川監督が「リズムがまったく作れない状況が続いていた」と振り返ったように熊本の攻撃を機能させていなかったが、岡山は自分たちでスキを見せてしまう。81分に喜山の軽率なプレーが招いたピンチはGK櫛引が好守で防ぐも、後半ロスタイムに守備陣の曖昧な対応を突かれて小谷に同点ゴールを許す。勝負どころの試合終盤、岡山はあまりにもうぶだった。(寺田 弘幸)