■浦和レッズ
油断大敵。チャンスをしっかりモノにしたい
ボールを受けたら足元で止めずに前に運ぶ。ボールを縦に入れたときに相手の裏を取る。単純にサイドに出すのではなく、ワンクッション入れて相手を食い付かせてから裏を取る。ワンタッチで前に入れることで中盤のブロックを崩す――。甲府戦の2日前、8日のトレーニングにおいてペトロヴィッチ監督が選手たちに伝えたことは、これまで5年間で何度も耳にしてきたことだ。もちろん、ACL開幕以降、連戦が続いて普段どおりの練習ができなかったこともあるだろう。ただそれは、甲府戦において重要である要素を再確認しているかのようだった。
甲府は選手層や実績などで言えば、公式戦ここ5試合の相手よりも劣るかもしれない。ただ、浦和にとってのやりにくさで言えば国内トップクラスと言っても過言ではなく、「油断していたら足をすくわれる」(関根)相手だ。甲府がJ1に再昇格した13年以降、公式戦で5勝4分と一度も敗戦していないが、いつも相手の強固な守備に苦しめられてきた。今回も浦和がボールを支配する展開になることは間違いないが、ACLの2試合や前節のC大阪戦同様、チャンスをしっかりモノにしなければ苦しい展開になるだろう。チャンスを決められずに焦れば相手の思うツボだ。もちろん攻撃ばかりを意識することなく、「チャンスはピンチ」とGK西川が言うように、攻撃しているときこそカウンターを警戒しなければならない。
浦和にとってようやくほぼ1週間空いて臨める試合だが、ここからまた中国に移動して15日にACLの上海上港戦、19日にアウェイのG大阪戦と長距離移動を伴う連戦が続く。甲府に気持ち良く勝利することで勢いをさらに加速させたい。(菊地 正典)
■ヴァンフォーレ甲府
無失点の時間をどれだけ長くできるか
G大阪との開幕戦(1△1)では後半ロスタイムに失点。続く鹿島戦(0●1)でも同じく後半ロスタイムにPK失敗と、2試合連続悔しさの中で試合終了の笛を聞いた。あの失点を防いでい“たら”、あのPKを決めてい“れば”、ACL組から勝ち点4を挙げていたわけだが、結果は勝ち点1。その現実を受け入れて挑む浦和戦は相当の覚悟を持って臨む一戦となる。
プレッシャーをかわす技術が高い選手がそろうC大阪が押し込まれた前節の映像を見て吉田監督は「窒息する時間もあると思うが生き延びたい」と話す。「窒息」という表現が分かりやすいが、甲府の酸素ボンベはパンパンパンと散らす・飛ばすのパスワーク。しかし、完成度は『風の谷のナウシカ』の最後に出てくる巨神兵のような段階。今季はボールを奪いに行く意欲もつなぐ意識も高いだけに、そこでミスが多発すればピッチはカウンターチャンスバーゲン会場に。ただ、それを恐れて「蹴れば相手の思うツボ」(吉田監督)でもあり、ボールを奪いに行っても行かなくても試合の難しさに大差はない。それなら前者で挑むのが達磨スタイル。その大前提になるのは無失点の時間をどれだけ長くできるかという点。浦和の選手に「リードされているのにコイツら全然出てこない」 と言われた昨季のホーム浦和戦のような場面は見たくない。中盤の攻防では新戦力のボランチ、兵働と小椋の存在が大きく、そこで奪ったボールを生かして浦和のディフェンスラインの裏でワンチャンスを狙う。
リハビリが明けて間もないドゥドゥがベンチ入りする可能性もあるが、第3節の段階で投入するリスク(再受傷)は小さくない。勝ち点は欲しいが、シーズンは長く焦りは禁物。必要なのは情熱的な粘りだ。(松尾 潤)