■北海道コンサドーレ札幌
開幕2連敗の札幌。だが、「良い戦いができている時間帯はある」
残留を絶対的な目標に掲げて挑む5年ぶりのJ1の舞台だが、開幕から2連敗でのスタート。戦績としては最悪の立ち上がりである。とはいえ、まだたった2節が終わっただけ。現時点で何かを判断することはできないし、今後の展開を安易に予測したところで何も意味はない。「僕らには下を向いている暇はない」と新加入の兵藤も口にするように、連敗スタートという現実を受け入れながら、コツコツと我慢強く戦っていくより他はない。
ただし、である。開幕からの2試合はJ1に定着している仙台、横浜FMが相手だったが、今度の相手は同じ昇格組。それも昨季のJ2では札幌よりも順位が下だったチームである。「まだ3節」という状況ではあるが、昨季は1勝1分だった相手に対して仮に内容、結果で上回られたとしたならば、一気に流れが悪くなる可能性も否定できない。
「良い戦いができている時間帯はある」と四方田監督も発しているように、開幕からの2試合はともに前半を0-0で折り返し、展開としてはプランどおりに進められている。結果は出ていないが、中身は必ずしも悪いものではない。J1勢の“個の力”に屈しているものの、組織的な守備を構築し、こう着した展開へと持ち込むやり方に見通しは立っていると言えよう。相手に一瞬のスキも与えず、逆に相手のスキを鋭く突く。昨季のライバルとの再会を、流れを呼び込む契機としたいところだ。
今週のトレーニングでは宮澤、菊地といった、前節を負傷欠場した主軸の状況を確認しながら、主に守備陣のメンバー選考に力を注いでいた。チームの現状について指揮官は「3ボランチにしていることで、2トップは自分の仕事に専念できているはず」と見る。昨季のJ2を席巻した強固な守備網をここで再び構築し直し、5年ぶりのJ1を迎える札幌ドームに歓喜を呼び込みたい。(斉藤 宏則)
■セレッソ大阪
1分1敗のC大阪。前節大敗も、守備の形を否定する必要はなし
チームとしての成熟度の違いに加えて球際の攻防でも相手に圧倒された前節の浦和戦は、完敗に終わった。今節を迎えるにあたり、ユン・ジョンファン監督は「いまのままだと、どのチームにも勝てない。意識を変えないといけない」と厳しい言葉で選手に奮起を促した。それでも、早い段階でJのトップレベルを体感したこの敗戦を糧にすることができれば、今後の戦いも変わってくる。シーズン序盤はJ1残留を確実なものにすべく勝ち点を積み重ねること。チームの立ち位置も明確になった。
今節、勝利を得るためにまず必要なのが、出足や球際、運動量で相手に負けないこと。守備については、前節は3失点を喫したとはいえ、今季の始動から取り組んできた形そのものを否定する必要はない。浦和戦は受けに回った感は否めないだけに、今節はコンパクトさを保つと同時に前からプレスを掛ける意識も加えたい。
守備は微調整で済む一方で、攻撃で得点までの道筋が見えてこないことはキャンプからの課題だった。守備から試合に入る中で2トップが孤立気味になり、攻撃に厚みをもたらすことができずにいた。そんな中、今節は頼もしい男がピッチに立つ。セビージャから復帰した清武だ。2月中旬以降、右太腿裏の張りで別メニューが続いていたが、先週、部分合流を果たすと、今週は週の頭から完全合流。8日の戦術練習では、先発組と思われるチームのトップ下に山村が、両サイドハーフに清武と柿谷が入る形が試された。その狙いについて指揮官は、「両サイドで起点を作ること、前線の運動量を増やすこと」だと語る。
両サイドの守備のバランスをどう保つかという課題はあるが、浦和戦とは異なり今節はポゼッションで優位に立つことも予想されるだけに、攻撃的に押し切る意図が感じられる。昇格チーム同士の直接対決となる今節は、シビアに結果が問われる一戦だ。(小田 尚史)