■ベガルタ仙台
’’カギは粘り強さ。手堅い試合を動かせるか’’
両チームに関わるさまざまな人々の思いが交差する、3月11日の一戦。両者のリーグ戦における現在地という点で見れば、連勝チーム同士の対戦ということでも注目すべき試合となる。
「手堅い試合になる」と、渡邉監督は展望する。神戸がここ2戦を安定した守備とセットプレーで手堅く勝利してきたことを警戒し、「オープンな展開に持ち込もうとすると、足をすくわれるかもしれない」と指揮官は厳しい試合を覚悟している。
ホームで勢いに乗りたいところだが、あまりにも気持ちをはやらせては、神戸の罠にハマる。策士・ネルシーニョ監督が選手配置やフォーメーションまで変えてくる可能性もある中で、焦れずに、手堅い試合運びで対抗することが仙台には求められる。
もっとも、仙台はこの2戦での2勝を、勢いよりも手堅さ、粘り強さによって挙げてきたと言える。前節・磐田戦の勝利を石原は「うまくいかない中でも我慢できたことが結果につながった」と振り返った。相手ゴール近くでボールを動かせない時間帯がきたとしても、守備時には相手ボールの集積点へプレッシャーを掛けて抑え、攻撃時にはたとえ高い位置で動かせなくとも、相手のプレスをかいくぐりイヤなところでボールを動かす。「“粘り強さ”というと守備のイメージが強くなりがちだが、攻撃においても、粘り強く相手を動かしてフィニッシュにつなげる形を続ける“粘り強さ”が必要」と渡邉監督が念を押すように、攻撃のスピードを上げる瞬間、セットプレーの攻守など、堅い展開を動かすポイントを押さえた戦い方を、仙台はしなければならない。
「我慢比べでも、勝たなければならない」と、菅井は言葉に力を込める。勝てばJ1通算100勝目に達する仙台。その勝利のカギは、粘り強さにある。(板垣 晴朗)
■ヴィッセル神戸
’’確かに備わる継続の力。3連勝は譲らない’’
疾風迅雷は今季も健在だ。昨季、レアンドロ、ペドロ・ジュニオールの2トップを擁し、ボール奪取からの風のように速く、雷のように激しいカウンターで魅了した神戸だが、今季はペドロが鹿島に移籍し、レアンドロは開幕ゲームの清水戦で全治6カ月の重症を負った。昨季の前線の顔役二人が抜ける中で、4日の第2節・新潟戦では渡邉と田中順が2トップを務め、田中順はつなぎ役として中盤との潤滑油となり、一騎当千の速攻を繰り出す渡邉の姿は昨季のデジャブのようだった。「自分が前を向いてスピードを出せればチームもノってくる」と話した渡邉は、ネルシーニョ監督が指揮官を務めて3年目の神戸に確かに備わる、継続性の力を体現した。
ただ、渡邉に満足感はないようで、「ボールを保持する時間を増やしたい」と願望を口にする。新潟戦を振り返り、「リードしているのにボールを持てず主導権を握れない時間帯があった。(大森)晃太郎は落ち着かせられるし、前二人でタメを作れれば押し上げられる」と改善点を指摘。ポゼッションにおいて、多くのシーンで起点になっている岩波もまた、「自分から始まる感じに責任もある。もう少しスムーズにやりたい」との気持ちを語る。開幕2連勝に浮かれる様子はみじんもなかった。
今節の相手・仙台は、今季神戸に加入した渡部にとって2シーズン在籍した思い出の詰まったクラブだ。システムを3バックに変更し、ボール保持力を高めた古巣に対して「開幕2試合を見る限り、イキイキして、自信を持ってやっている」との印象を持ち、「プレスでうまくハメることができるか」と対戦をイメージする。これはボランチの藤田も同様で「対策があるので、それをしっかり遂行したい」と意気込んだ。神戸は開幕3連勝を譲らない。(小野 慶太)