最少得点、されど無失点。戻りつつある“鹿島らしさ”
前半は互いにシュート2本と静かな展開だった。「相手陣内に押し込む時間も長かったけど、なかなかそこからゴールまで辿り着くことができなかった」と鹿島の石井監督。綺麗なブロックを築く横浜FMの守備を崩すことができず、ハーフタイムには「相手のディフェンダーとボランチの間でボールを受けて、効果的に攻めよう」と指示を出した。
しかし、攻撃陣の息が合わない。金崎やペドロ・ジュニオールはパスを受けに引いてしまい、ブロックの外でパスを受けることが多くなってしまう。「下がり過ぎず相手の怖がるところでボールを受けようと話したけれど、そこがなかなかうまくいかなかった」と見た石井監督は、71分にペドロに代えて鈴木を投入。すると、この采配がズバリ的中する。
83分、高い位置で遠藤がボールを奪い返し、伊東がタイミングを合わせたオーバーラップから鋭いクロスを送ると、逆サイドから入ってきた鈴木の頭にドンピシャリ。横浜FMの堅い守備を破るヘディングシュートが突き刺さった。
試合前、東日本大震災で被災したこともあり、石井監督からは「サッカーができる喜び、幸せを感じて戦おう」という声が選手たちに掛けられた。ともすれば、日常に埋没する思いを胸にピッチに立った選手たち。守っては齋藤というキーマンをけがで欠いていた横浜FMにスキを与えず、枠内シュートゼロに抑える落ち着いた試合運びでリーグ戦2連勝を飾った。
これまでバタバタする展開が多かった鹿島だが、今季初めて守備は安定した。変なボールの失い方も少なく、最少得点ながらも鹿島らしさを感じさせる勝利だった。(田中 滋)