一気呵成。常勝軍団は勝負どころを逃さない
「自分たちからアクションを起こして攻め合いになるよりも、勝つためには安定した形でいることが重要だという意識が強く働いてしまっている」と石井監督が話したように、ゲーム序盤の鹿島は、ほとんど色が出ていなかった。それは41分に植田のクリアが金子にブロックされて先制を許したあとも変わらなかった。後半に入っても、清水に決定的なチャンスを作り出され、71分にはついに2点目を許してしまう。
しかし、このまま大人しく引き下がるわけがなかった。0-2で迎えた74分、ペナルティーエリア右から遠藤の直接FK。左足から放たれたボールは、思ったほど曲がらず、GK六反が釣り出される格好に。「良いキッカーがそろっているので、良い入り方をすればちゃんとボールが来る」と植田が自信を持って飛び込み1点を返すと、堰を切ったように得点が生まれる。続く79分には、永木がゴール前に放り込んだボールを、鈴木が高い打点から叩き、自身公式戦3試合連続ゴールで同点。そして途中出場の金崎が最後を締める。65分の登場直後から副審の判定に噛み付き、また相手選手と小競り合いを起こすなど、勝負に対する“熱さ”をチームに持ち込むと、85分には遠藤のクロスをワントラップから落ち着いて流し込み、わずか11分間で逆転。ミスを見逃さず、勝負どころをわきまえた鹿島らしい勝ち方を見せた。
これだけの痛快な逆転劇にも、石井監督は「何度もできない展開だと思うので、こういう戦いは避けなければいけない」と気を引き締める。リーグ3連勝に喜び一つなく、ただ上だけを見つめて突き進む。(田中 芳樹)