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[日本代表]カンドゥーラ包囲網を突破せよ/W杯アジア最終予選UAE戦

2017/3/22 15:00


Photo: Getty Images
独特の雰囲気がもたらすプレッシャーに打ち克てるか

 日本代表にとって“鬼門”となってきた中東でのアウェイ戦。最終予選は前半戦を終えたところでグループ首位のサウジアラビアと同勝ち点、得失点差で2位に付けるが、残り5試合のうち中東でのアウェイ戦が3試合残っている。そのうちの一つはイラクの政情不安により中立地のイランで行われる見込みだが、勝負の後半戦、その第一弾が今回のUAE戦だ。
 最近の中東アウェイ戦で苦い経験として記憶に残るのが13年3月26日に行われたブラジルW杯の最終予選ヨルダン戦だ。首位の日本はここで勝利すれば最速でW杯出場が決まるという状況だったが、前半から再三のチャンスをモノにできず、前半終了間際にCKから失点。さらに後半、ミスからカウンターを食らって2失点目。香川真司のゴールで1点差と迫るも、PK失敗などが響いて敗戦となり、その時点でのW杯出場を逃した。当時のアルベルト・ザッケローニ監督が「まずはヨルダン戦に勝って、W杯本大会のことはそのあとで考えたい」と語るほど強い意気込みを見せていた試合だった。結局、その後の試合で予選突破を決めたものの、この敗戦はチーム作りに大きく影響した。
 中東での試合はよく“中東の笛”と呼ばれるジャッジの問題が話題になる。加えて日本の選手に関してはピッチの影響か、独特な雰囲気が及ぼす心理的なものか、信じられないミスからゴールを許してしまいがちだ。
 しかし一方で、環境の適応に関してはカタール開催で優勝した11年のアジアカップ以降、それほど選手たちはやりにくさを感じなくなってきてもいる。それは選手の経験値もそうだが、代表スタッフのノウハウが蓄積されていることが大きい。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督に替わりコーチングスタッフがさま変わりしても、宿泊から練習場の手配、食事面、コンディショニング調整など、遠征地で選手に負担や影響が掛からないように裏方の日本人スタッフによる配慮がなされているからだ。
 今回の試合は3月のアル・アイン(UAE)開催。オアシス地域ということもあり、日中は暑いが試合時間の夜は30℃を下回るかどうかという気温。オアシスらしく、21日の朝には大雨が降り、多少の上昇は見込まれるが、湿度も20%程度と低いため比較的過ごしやすい。汗が蒸発しやすいので、こまめに水分を摂ることが重要だが、そのあたりは経験のある選手たちがよく分かっているはずだ。
 もちろん環境適応への問題が少ないといっても日本に有利というわけではない。今回の会場となるスタジアムではUAEが非公開の練習を続けており、日本のテレビメディアが近付いただけで邪見に追い返されたという情報もある。いまのところ日本への露骨なイヤがらせは見られないが、UAEにとってより良い状況で試合に入るための戦いはすでに始まっていると言える。
 また開催地のアル・アインはオマール・アブドゥルラフマンら多数の選手にとって主力のホームタウンでもあり、観客の雰囲気というのは試合に入ってみないと分からない。そうしたプレッシャーに精神面で負けてしまう日本の選手たちではないだろうが、ちょっとした違和感が致命的なミスにもつながり得るだけに、チーム全体で意識を強くもって臨むことが求められる。(河治 良幸)

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