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[後藤 健生]欧州組の負担が軽い中東アウェイ。好パフォーマンスの背景/W杯アジア最終予選UAE戦クロスレビュー①

2017/3/27 17:14


Photo: Norio Rokukawa
前線3枚に好調選手を並べた効果

 長谷部誠がチームを離脱するという緊急事態。代わって起用されたのはベテランの今野泰幸だった。その今野は中盤でセカンドボールを拾い、またアタッキングサードでのパス回しにも積極的に参加した。さらに、後半には久保裕也からのクロスを見事にコントロールして貴重な追加点まで奪ってみせた。
 MOMは今野で決まりだろう。
 左サイドの原口元気もいつものようにハードワークでチームに貢献。日本は左サイドに原口、今野、長友佑都が堅固な守備網を構築し、UAEのキーマン、オマル・アブドゥルラフマンを抑えることに成功した。
 PK戦で敗れた2015年アジアカップ準々決勝でも、ホームでまさかの敗退を喫した昨年9月のW杯予選でも、日本はUAEに対してボール保持率では明らかに上回っていた。だが、ゴール前での迫力には欠けた。
 しかし、アルアインでの日本代表はゴールに対する積極性が目立った。欧州クラブで活躍している久保、原口、大迫勇也を前線に並べた効果なのだろう。好調時のFWはシュートに対して積極的になれるものだ。しかも、UAE守備陣のマークも甘く、早い時間からゴール前にスペースが生まれたこともあって日本の攻撃陣には余裕が感じられた。
 さて、W杯最終予選に入ってからの日本代表はホームゲームでのパフォーマンスが悪かった。敗れたUAE戦だけでなく、勝利した10月のイラク戦も内容的にはここ数年で最悪の試合だった。原因は欧州組が日本までの長距離移動を強いられ、集合から試合までの準備期間も少なかったことだ。
 実際、9月も10月もその後のアウェイ戦(対タイ、対豪州)ではパフォーマンスはかなり改善されていた。また、11月のサウジアラビア戦は集合から調整期間およびオマーンとの準備試合があったため、良いコンディションで戦うことができていた。
 今回のUAE戦はアウェイではあったが、欧州からの移動距離は東京までに比べて短かく、時差も小さかった(欧州クラブもオフにはよくUAEで合宿を実施する)。そのため欧州組にとっては負担が軽く、それが好パフォーマンスにつながったのだ。
 今後も欧州組は増えていくはずで、彼らのコンディショニングは日本代表にとっての重要なテーマとなる。今回の予選での経験はしっかりと分析して、4年後、8年後の予選の時のために情報を残しておくべきだろう。(後藤 健生)

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