ピニェイロの決勝点で東京Vが2位に浮上
2分にドウグラス・ヴィエイラがGKとの1対1を外して以降、東京Vは自陣に釘付けとなった。何度もピンチを迎えた東京VのGK柴崎は言う。「岐阜がボールを持つチームということはあったけれど、自分たちのミスで苦しくしていた」。セットした守備から、ボールを奪ったあとは大事に運んで自らのペースに持ち込みたい。そんな意図を打ち砕く洗練された岐阜のボール回しと、自らがビルドアップに苦しんだことで、まったく攻撃に出ていけなくなった。
「前から行こう」。たまらずロティーナ監督が戦術変更を指示。また、井上の負傷によって39分に投入された橋本が前線をシンプルに生かす正確なダイレクトパスを入れていくことでカウンターが機能し始め、徐々に東京Vが盛り返していった。
それに拍車を掛けたのが、53分の梶川投入だ。機動力に長けた背番号38がギアを一段上げると、前線中央に移ったアラン・ピニェイロが反撃時の脅威となって岐阜に襲い掛かる。そして68分、幾度もインターセプトで貢献していた内田のパスカットから、前線のピニェイロへ。ペナルティーエリアの左外から、キレイに巻いたシュートが逆サイドネットへ収まり、完全劣勢だった緑に先制点が入った。結局、この背番号7の4戦連続弾が決勝ゴールとなった。
一人、二人、三人と、交代選手が投入されるごとに東京V側に流れが傾いていった。それはまるで人が増えていくシーソーのようで、完全なる岐阜のペースだった試合展開がみるみるうちにホームチームのモノになった。岐阜の決定力の低さに助けられた側面も大いにあり、「彼らのプレーは負けるのにふさわしくなかった」とロティーナ監督は内容での“負け”を公言した。その点では運が良かった。それでも、終わってみれば「もっと追加点が入れば」という感想まで出るような1-0。勢いが止まることはなかった。未勝利の岐阜を退けて、東京Vが4連勝を飾った。(田中 直希)