後半の暗転。松本は前半の決定機逸が響く
ボールこそ名古屋に保持されたが、試合の流れを保持したのは松本―。少なくとも前半に関しては、ホームチームの思い描くゲームプランどおりに進行した試合だった。開始直後から連動性のある守備で名古屋のポゼッションに機能不全を起こすと、15分には先制に成功。古巣戦で静かに燃える田中がペナルティーエリア内で倒されてPKを得ると、これをキッカーの高崎が冷静に流し込む。その後も高い位置でボールを奪ってからのカウンターが奏功し、多くの決定機を創出した。
しかし、ここで追加点を得られなかったことが後半に響く。名古屋は後半開始時から、存在感を発揮し切れない佐藤に代えて杉本を投入。同時に選手配置にも手を施した。前半は右ウイングバックでやや窮屈そうなプレーぶりだった永井を、2トップの一角にスライド。これで名古屋は好転する。後半開始直後、長い距離を持ち込んだ永井が右足アウトサイドで入れたボールが、相手DFのクリアミスを誘ってオウンゴール。同点に追い付くや、名古屋の勢いは一気に加速する。セカンドボールの回収にことごとく成功し、効果的なパスが入るようになった。
劣勢を強いられた松本は集中を切らさずに耐えつつ、ワンチャンスからの勝ち越し点をうかがう展開となるが、最後に試合を決めたのは名古屋のブラジリアン。右サイドに流れたワシントンが相手DFの寄せをはね除けながら中央に入れた低いクロスが、またもオウンゴールを誘発。土壇場の88分に名古屋が勝ち越しに成功、そのまま後半ロスタイムも乗り切り、試合終了の笛が吹かれた。
PK、OG、そしてOG―。雪もちらつく悪天候のもとで二転三転した一戦は、名古屋がモノにした。(多岐 太宿)