開始2分や7分に訪れた好機で得点できずにいると、立ち上がりからの町田の攻勢は次第に失速。
その一方で、岐阜は高いボール支配率に準じたチャンスを作り出せずにいたが、決して攻め急ぐことはなかった。主将の庄司はこう振り返る。「監督には『無理に攻めなくていい』と言われている。開幕から5試合が終わったあとのミーティングで、『ボールを回しながら落ち着いて戦おう』と言われた。攻め急がずに、自分たちのリズムになってから攻めるという形は次第にできてきたと思う」
町田の構築する守備ブロックの懐に入り込み、絶好機を作れずとも、落ち着いてボールを回しながら千載一遇のチャンスを待った。
そして試合が0-0で推移していた71分、福村の素早いリスタートから古橋が抜け出し、その古橋のクロスに難波が頭で合わせて決勝点を奪った。
大木新監督を招へいし、スタイルの大転換を図っている岐阜が開幕6試合目にして、今季初の無失点と初勝利を成し遂げた。試合後、殊勲のヒーローの一人である難波が言った。「監督は唇の下にデキモノができるぐらい苦しんでいたので、僕の1点で勝ちたいと思っていた。その気持ちで取ったゴール」
敵地でようやく手にした今季初勝利の舞台裏には、さまざまなドラマがあった。(郡司 聡)