前半はこう着した。互いにミスが多く攻撃でストレスのたまる展開だったが、裏を返せば互いに攻守の切り替えが速く、タイトに守備ができていたということでもある。後半、「ボランチは下がらず中盤でプレーしよう」(中田監督)と修正した横浜FCに流れが傾き、その流れを加速させたのが59分の選手交代だった。
カズに代えて左サイドハーフの永田を投入し、野村を右に回してジョン・チュングンをFWへ。「推進力とスピード。ほかのFWの選手にはない強引さを持っている」と指揮官が評する22歳のコリアンタイガーが、ただでさえイバへの対応で疲弊している京都の3バックに襲いかかる。61分にルーズボールを拾って先制点をアシストすると、71分にはクロスの折り返しに飛び込み、石櫃に倒されてPKを獲得。「FWでのプレーが好き。シャドーのポジションもやっていたのでやりやすかったし、楽しくやれた」とこの日のヒーローは屈託なく笑った。
京都もエスクデロ、大黒、ケビン・オリスと切り札を次々に投入して反撃に出る。システム変更もあり、横浜FCの守備は多少混乱させられたが、京都はチームとしてどう点を取るのかが見えず、有効な攻撃を繰り出せないままタイムアップ。初の先発出場となったU-20日本代表・岩崎の躍動など光明も感じられたが、早くも今季5敗目。布部監督は「まだまだ自分たちの力が出せていない」と力なく語った。(芥川 和久)