7得点の完勝。槙野と森脇の両ストッパーが高い位置を取るビルドアップが奏功し、前線や右サイドのコンビネーションが円滑に回って大量得点を奪った。ただ、浦和にとってはそれだけではなく、無失点で試合を終えることに成功した点も忘れてはならないだろう。「絶対にゼロに抑えるんだ」。GK西川はキックオフ前の円陣で仲間に訴えかけたという。試合後に気持ちを込めた強い口調でその場面を再現していた。また、興梠はすでに4点を奪って勝負が決まりかかっていたハーフタイムにも「『ゼロで抑えよう』と話していた」と明かした。
リーグ戦5試合7失点。今季、無失点で終えた試合はACLのウェスタン・シドニー戦に限られ、リーグ戦ではまだ1試合もなかった。それは選手たちも強く意識していたが、ついにこの仙台戦でクリーンシートを記録した。
そして浦和にとって大切なのは、それが「しのぎ切った」という展開で記録されたものではないことだ。
武藤が「攻撃的にいくけど守備をおろそかにするわけではない。むしろ前線からチーム全員で守備をする意識を持っている」と言ったように、ただ無失点を目指すのではなく、前線や中盤でボールを奪って2次攻撃、3次攻撃につなげていった。また、「点が入ってもしっかり後ろに引かずにもう1点取りにいく姿勢を見せ続けたことがこの結果を生んだ」と槙野が振り返ったように、無失点を意識し過ぎて安易に“逃げ切り”に入るということもしなかった。
自分たちらしく戦いながら得た無失点という結果だからこそ、大きな価値があった。(菊地 正典)