季節外れの夏日となった暑さがそうさせたのか、ホームの讃岐は、しっかりパスをつないでボールを保持する狙いとは相反し、過度にリスクを恐れて、プレッシャーが掛かる前に長いボールで裏のスペースを突く攻撃が増えた。対する岡山も「勢いを持って入ろう」(伊藤)と前線の機動力を生かすべくシンプルにロングボールを前線に供給してきたため、前半は長いボールが行き来する単調なプレーばかりが増え、フィニッシュに至るシーンは増えなかった。
後半に入って徐々に岡山のハードワークが讃岐を上回り始めると、球際のバトルでも優位に立つ。そして64分、敵陣でルーズボールを奪うとパク・ヒョンジンのクロスを伊藤がダイレクトボレーで決めて均衡を破った。
劣勢に立たされた讃岐だが、73分のユン・ソンホ投入と同時にシステムをあらかじめ用意していた[3-4-3]に変更。縦への推進力をより強調した攻撃で敵陣深くに侵入して猛攻をしかける。そうして85分、敵陣ペナルティーエリア内での相手のクリアミスを途中出場の我那覇が押し込み同点に追い付く。その直後に木島良を投入し逆転の空気も漂わせたが、「僕の判断が遅れてしまった」(北野監督)と、勝負をかける時間が短くなったことで追撃も一歩及ばず。
策はハマらずとも死力を尽くした“瀬戸大橋ダービー”は互いにもどかしさの残るドロー決着に終わった。(松本 隆志)