鳥栖、チョ・ドンゴンの一発を堅実に守り抜く
攻撃時の神戸は、2トップの一角の小林成豪が中盤に下がり、左サイドの大森がポジションにこだわらず自由に位置を取る。「自由にやらせてしまった」(吉田)鳥栖は守備で的を絞ることができずに守勢を強いられた。それでも先制したのは鳥栖だった。
9分、「後ろのミス」と渡部が悔やんだように、ロングボールに対してCBが2枚とも食い付いた神戸は最終ラインを止めてしまい、そこを突かれる。チョ・ドンゴンとの1対1はGKキム・スンギュが一旦は止めるも、そのこぼれ球の処理にもたつき失点を喫した。良い流れにありながらミスが重なっての失点。また、攻撃では攻勢をかけながら、アタッキングサードでの「冷静さを欠いた」(渡邉)と、シュートとパスの判断がかみ合わずに得点へとつなげられなかった。
一方、守勢の鳥栖もハームタイムをはさんで修正を図る。「監督からそういう指示があった」と吉田が明かすように、鳥栖はブロックを敷き、スペースを消す守備へ変更する。これにより、前半のように裏を突かれるシーンはほとんどなくなり、効果的にカウンターに持ち込む場面も増えたが、試合を決定付ける2点目を奪えず。それでも85分に小林祐三を投入し、鳥栖は5バックで逃げ切りを図る。神戸にサイドで起点を作らせず、さらに苦しい時間帯にも走り切れる強みを発揮して、前線がプレスを掛ける。押し上げる時間を作ることでベタ引きの5バックにはならず、「大きな破綻はなかった」と小林祐三が言うように、しっかりとゲームを締めくくった。
前節・磐田戦、終盤の2失点でイヤな負け方をしただけに、選手の集中力も高く、試合運びも的確だった。鳥栖にとっては悪夢を払しょくする勝利となった。(杉山 文宣)