数字の上では0-3で完敗。だが内容を見れば、新潟らしくアグレッシブな戦いを表現できた一戦だった。事前のスカウティングで「FC東京はロングフィードやパワープレーに弱いと感じていた」という三浦監督は、序盤からその弱みを突く戦術を徹底する。前線にロングフィードを送り、はね返されてもセカンドボールを拾って押し込みCKやスローインを獲得。チアゴ・ガリャルドと原のロングスローも武器にゴールに迫っていった。FC東京の太田も「鳥栖や札幌など、ロングボール主体のチームに競り負けて失点する場面が今季は多かった」とイヤなイメージを持っていたことを明かし、狙いは当たっていた。ただしシュート数は新潟が『11』、FC東京は『6』と上回りながら得点に結び付いていない。さらに第8節を終えて15失点はリーグワースト3位。“決め切れない、守り切れない”という課題が続いている。
監督が変わり、選手の半分以上が入れ替わった今季のチームは、試行錯誤の中で進化を続けている。開幕当初はホニのスピードを生かすカウンターが主体だったが、この試合では、攻め急がずにボールを保持し、サイドから攻撃を組み立てる形が、今季最も多く出せていた。「アグレッシブに入れたし、内容も良かった」と富澤は手ごたえを語る。ただ2失点目はスキを突かれたように、「これまで負けた試合を振り返ると、勝負のあやのところでつまずいている。試合がふと落ち着いたとき、周りが声で引き締めないといけない」と、集中を促す必要性を挙げる。
試合後、ピッチを一周する選手にサポーターから注がれたのは、激励の言葉と拍手だった。伝わっているものはある。次こそ結果で応えなければいけない。(野本 桂子)