試合全体としては大きな波が少なく、ややスリリングさを欠いた展開であったと言わざるを得ない。ただ、それは実直にハードワークをこなす、同じシステムを採用するチーム同士の対戦であったことを考えれば、ある意味必然だったのかもしれない。
そんな中での小さな差から勝負をモノにしたのは愛媛のほうだった。組織として丁寧にアタッキングサードまでボールを運ぶ愛媛に対し、長崎は「長いボールが非常に多かった」(高木監督)ことでセカンドボールを拾い切れず。攻撃が単発で終わるなど、プレーにリズムが生まれなかった。後半に入ると頼みの綱のファンマを投入し、その高さを起点に打開を狙ったが、攻撃の単調さゆえに愛媛も的を絞った守備がしやすくなり、好機につなげることができなかった。
そうして、ビッグチャンスをしたたかにモノにしたのが愛媛。それまで長崎の素早い帰陣に攻めあぐねる時間が続いていたが、65分、高い位置でのインターセプトからショートカウンターをしかけると、長崎守備陣がそろい切る前に小島がフィニッシュに持ち込んで決勝点。過去の対戦で未勝利だった鬼門の長崎に雪辱を果たすことに成功した。(松本 隆志)