貫いたアグレッシブ。今季初、恩師の前で見せた“理想の2-0”
[3-4-2-1]のシステム同士がマッチアップするミラーゲームになることが予想されたが、山形は阪野、瀬沼を2トップに据えた[3-5-2]に変えてスタート。その想定外の形に、愛媛は立ち上がりでややバタつき、瀬沼の強引なドリブル突破からいきなりの決定機を作られてしまうが、これをGKパク・ソンスの好セーブでしのぐと、変化した状況にアジャストするまでにそれほど時間はかからなかった。かつての指揮官である木山監督に叩き込まれたハードワークで相手を追い込み、山形にラフなロングボールを蹴らせてセカンドボール争いで上回る。そこからテンポよく前線へボールを供給し、鋭い縦への推進力を武器に徐々に試合の主導権を握った。
33分、林堂からのロングフィードを河原が競り合って守備ラインの裏のスペースに落とすと、プロ初先発に抜擢された大卒ルーキー・丹羽が大仕事。慌てて入った相手のカバーリングを振り切り、ゴール右スミを捉えて先制点を奪う。その5分後にはCKから玉林がマークに付いた選手ともつれ合うようにしてゴールに押し込み、その差を2点に広げた。
かねてから「理想のスコアは2-0」と話していた間瀬監督は「2-0というスコアはサッカーで一番危ない」とされているからこそ、理想としている。“捨て身で来る相手をどう封じ込めるか”がカギとなった後半、山形は汰木の投入で通常どおりのシステムに戻し挽回を図ってきたが、愛媛は守りに入る姿勢ではなく、最終ラインからしっかり押し上げて前線からプレッシャーを掛け続けることによって山形の追い上げムードを沈静化。意気上がる宿敵との対戦は、今季初となる理想の“2-0”で快勝。前指揮官・木山監督への恩を見事プレーで返してみせた。(松本 隆志)