先制点がターニングポイント。リズムをつかんだのはリードを許した大宮
序盤から一進一退の展開となったゲームにおいて、流れに変化が生まれたのは23分、仙台がPKを得てクリスランが先制点を記録したところからだった。とはいえ、リズムをつかんだのは先制した仙台ではなく大宮。仙台・渡邉監督が「リードして消極的になり過ぎた」と振り返れば、大宮・渋谷監督は「前半はわれわれが構えていたような感じがあったが、仙台さんに1点が入ったことによって、逆に仙台さんが構えていた」と語ったように、特に後半になると大宮がフリーでボールを持てる形が顕著に増えていった。
ボールホルダーが比較的自由にパスを出せる形を得た大宮は、FWに入った瀬川のスピードと積極的なランニングを存分に生かし、仙台を押し込んでいく。後半からピッチに入った大前も「サイドとしての役割をしっかりやりつつ、自分の持ち味を出してボールを落ち着かせてチャンスメークするという部分ができていた」と特長を発揮。60分には江坂のスルーパスに瀬川が抜け出して得た右CKから、大前のキックをマテウスがつなぐと、先制のPKを与えてしまった山越がプロ初得点となる同点ゴール。スタジアムの流れは一気に大宮に傾いていく。
試合終盤は互いに連戦の疲労もあってオープンな展開に。「相手もウチもかなり間延びして、カウンター合戦みたいになっていた」(大前)。どちらに点が入ってもおかしくない状態を味方に付けたのは、大宮の背番号10だった。
試合終了間際の89分、仙台のディフェンスラインに生じたギャップを見逃さずに抜け出すと、カバーに入った清水時代のチームメート・平岡を2回の切り返しで翻ろう。最後は右足を振り抜き、大宮加入後初得点となる決勝弾をゴールネットに突き刺した。
勝ち点3を手にした大宮はついに最下位脱出。一方の仙台はリーグ戦連敗となった。(片村 光博)