新加入の韓国人ストライカーは“諸刃の剣”だった。群馬は試合前日の12日、カン・スイルの獲得を発表。森下監督は、ドーピング違反で約2年の制裁を受けたFWを先発起用した。連係面での課題を考えるとギャンブルでもあった。
カン・スイルは12分に右CKを豪快なヘッドで合わせるが、GKにキャッチされファーストチャンスを逃す。序盤はパワフルな動きを見せたが、後半は前線で完全に孤立。生きたボールが渡ってこなかった。
選手交代策が機能せずに全体が間延びした群馬は、愛媛のパスワークに翻ろうされ、70分と77分に小島、81分に河原にゴールを許して0-3の完敗。愛媛は、小島のゲームコントロールが冴え、後半は群馬を寄せ付けなかった。チームの成熟度の差は歴然だった。
群馬は、韓国人ストライカーの起用によって脆弱な基盤が浮き彫りになった。カン・スイルの能力は高いが、チームとしての形がないまま起用したことで、ほかの攻撃陣の特長が消えた。カン・スイルは「チャンスを決められなかった自分のせい」と責任をかぶったが、敗因は、ブレ続ける戦い、不可解な交代策などのマネジメントにある。一人のストライカーの加入ではチームは変わらない。根本的な改善が必要だ。(伊藤 寿学)