激しく雨が降り続けた中、ピッチ上でぶつかり合ったのは、互いの研ぎ澄まされて切れることのなかった集中力だ。「お互いにノーリスクのような戦いになった」(西ケ谷監督)中、水戸は前田の、横浜FCはジョン・チュングンのスピードを生かしながらDFの背後を狙う攻撃を繰り出した。
しかし、両チームともにスキを作ることなく対応。31分、水戸は左サイドに流れた船谷のクロスをニアに走り込んだ前田が頭で合わせる決定機を築くも、GK高丘の好セーブに阻まれてしまう。
後半に入ると、横浜FCが69分に大久保を投入し、パワープレーを徹底してゴールを脅かしていく。しかし、GK笠原を中心とした水戸の守備も崩れることがなく、横浜FCのクロスとロングボールをことごとくはね返し続けた。
終盤は1ボランチからダブルボランチに変更して「リズムが良くなった」(西ケ谷監督)水戸が中央からスピーディーな攻撃をしかけようとしたものの、高い危機察知能力とボール奪取能力を披露したカルフィン・ヨン・ア・ピンに阻まれてゴール前まで侵入することができなかった。
ともに勝利は逃した。とはいえ、少しの集中力の欠如も許されない状況で守備の規律を守り続け、チーム全体で粘り強く戦い抜いて手にした勝ち点1の価値は、決して小さなものではないはずだ。(佐藤 拓也)