前への推進力を強めた松本。しかし、あと1点が遠く5戦未勝利に
前半を振り返ると、ボールを支配しようとしたのが湘南で、スペースを支配しようとしたのが松本だった。湘南は前節・福岡戦同様に[4-3-2-1]のフォーメーションを採用し、アグレッシブなスタイルを披露。短いパスをつなぎながら複数の選手が攻撃に絡み松本ゴールへと迫る。対する松本は前線から中盤の各選手が二度追い三度追いを怠らず、湘南のボールホルダーから自由を奪う。また、前節・山形戦では見られなかった前への推進力も色濃く、この日はシャドーで起用された石原が湘南の最終ラインの裏を狙い、再三にわたって重圧を掛けた。
試合が動いたのは、スコアレスのまま迎えた後半開始直後の47分。ゴール前の混戦からボールを受けた野田が豪快なオーバーヘッドキックを叩き込み、湘南が先制に成功する。しかし、1点を追い掛ける松本も攻撃への意識を強め、失点からわずか6分後、スローインから素早く前を向いた石原が中央へと切り込みながら右足を振り抜く。これがゴール右に突き刺さり、今季初得点を記録。見事、指揮官の期待に応えてみせた。
早い時間で試合を振り出しに戻された湘南だったが、ドラマは62分に待っていた。左サイドからアンドレ・バイアがクロスを上げると、ニアに飛び込んだ山田がヘディングで合わせて勝ち越し点を奪う。再び追い詰められた松本はジエゴとセルジーニョの両ブラジル人、さらに三島を投入し、パワープレーに突入。しかしクロスの精度に欠き、5バック気味になって守備に比重を置く湘南の前にゴールネットを揺らすことができない。結局、湘南が山田の値千金のゴールにより2-1で勝利し、敵地アルウィンで大きな価値を持つ勝ち点3を手中に収めた。(多岐 太宿)