老獪な試合運びで5-0。福岡、すべて完封の4連勝で首位浮上
戦前、金沢の柳下監督は「分かっていてもやられるのは、駒野からのウェリントン。そこは分かっている。ウェリントンにシュートさせないような守備も絶対に必要」と福岡戦の展望を語った。警戒レベルを高めていただけに、対ウェリントンの駆け引きが最大のポイントだったが、指揮官の言葉どおり“分かっていてもやられる”のがウェリントンだった。
「セットプレーで点を取ったことが、やはり大きかった」(井原監督)。まずは18分のCK。駒野のキックにウェリントンがヘディングシュートを叩き込み、福岡が先制する。さらに24分、DFとの駆け引きで上回ったウェリントンが起点を作り、ウィリアン・ポッピにつなぐと、最後は石津が仕留めた。
得点力不足の金沢は2点のリードを奪われる苦しい展開となり、反撃をしようにも良い形でパスがつながらない。福岡はあまり高い位置からプレッシングにいくわけではなく、自陣にブロックを敷く撤退守備。「相手に引かれていたから、ウチの攻撃スタイルがなかなか出せなかった」(中美)。金沢は背後のスペースを消され、縦に速く攻める選択肢はついえた。
そして42分、福岡に3点目が生まれる。1点目と同じく、駒野のCKからウェリントンのヘディングシュートだった。その後福岡は最終ラインからボールを動かし、相手の圧力を回避しながら、空いたスペースやウェリントンを大胆に狙う。どこかまったりとしたゲームのテンポは省エネにも寄与したはずで、ベテランぞろいの福岡だからこそ成し得る老獪な試合運びだった。そして、有効打を繰り出せない金沢を尻目に途中出場の松田が2ゴールを挙げてスコアは5-0。文字どおりの完勝だった。4戦無失点での4連勝を達成した福岡が首位に浮上した。(野中 拓也)