清水戦に先発出場して勝利に貢献した中澤が、フィールドプレーヤーとしては前人未到のJ1通算550試合出場の金字塔を打ち立てた。500試合出場達成時と同じように試合前は「意識すると良いことはないから」という持論に従い、数字や記録について一切語らなかった。
しかし3-1の勝利を飾ったことで、試合後は自然とほおを緩ませた。そして、これまで以上に具体的に仲間の名前を出して感謝の言葉を口にした。「途中出場のウーゴ(・ヴィエイラ)が2点取ってくれて、(松原)健も良いシュートを決めてくれた。後半途中からは(栗原)勇蔵が入ったことで安心感と安定感が出た。(天野)純やマルちゃん(マルティノス)もしっかり守備をしてくれた」。どんなに優れたDFでも一人で失点を防ぐことはできない。最後に、こう付け加えた。「自分は恵まれている」。
今季はけがとの戦いも強いられ、いつになく苦しいシーズンを過ごしている。両ひざに巻かれているテーピングが厳しい現状を物語っており、居残り練習を控えざるを得ない。「中断期間にしっかり治す。それまでは我慢しながらやる」と心に決め、グラウンドでは笑顔を絶やさない。
次の区切りは600試合だろう。3年連続でフルタイム出場を達成し、今季もここまでフル出場中の鉄人だ。周囲は自然と次を求めてしまう。だが、中澤は「1試合1試合勝って、勝ち点3を積み上げて、それで気が付いたら600試合になっていたらいいと思う」と、涼しい顔で言う。
目標は設定しない。超えた瞬間、次が見えなくなってしまうから。中澤が550試合出場できた最大の理由だ。(藤井 雅彦)