攻撃不全の広島、決定力不足の磐田
ミキッチと柏の両翼を封じるために名波監督が用意した守備戦術が見事にハマった。ウイングバックが積極的にプレッシャーを掛け、背後のスペースは3バックのストッパーがカバー。ストッパーが出たスペースはボランチがプレスバックして埋めていく。「トライアングルのオートマチックな守備の連動が90分間をとおしてうまくいった」(名波監督)ことで、相手の攻撃を機能不全に陥れ、前節までリーグ最多のシュート数を放ってきた広島の攻撃は前半3本のシュートに抑え込まれた。
もっとも、磐田も広島の守備を破れないまま時間が経過していったが、こちらは決定力不足が要因だった。6分に川又が決定機を逸すると、その後も決められない。松井が相手のギャップで受けてリズムを作り、イニシアチブを握るサイドから鋭いクロスを入れてもアダイウトンと川又のフィニッシュの質が高まらず。9本のシュートはすべて空砲に終わった。
0-0のまま後半に入ると、広島は51分に皆川がロングボールを受け、ペナルティーエリアに入っていった。磐田は59分に右サイドからのクロスに多くの人数をかけてエリア内に入り、松井が決定機を迎えた。しかし、皆川のシュートはGKカミンスキーが、松井のシュートはGK林がストップする。数少ないチャンスは両GKによって阻まれ、ゴールネットを揺らせないままタイムアップの笛が鳴り響いた。
広島は守備陣が踏ん張って勝ち点1を確保したものの、リーグ戦ホーム初勝利はならず。磐田はけが人も多い中でチャンスを待っていた選手が好プレーを見せたが、無得点が4試合続くことに。両チームの厳しい現状が如実に表れた一戦だった。(寺田 弘幸)