4得点を奪った今節・愛媛戦、そして5-0と大勝した第13節・長崎戦。いずれもフクアリのピッチには、躍動する背番号7の姿があった。
今季、佐藤勇の先発はこの2試合のみ。ただJ通算417試合目の出場で、数々の修羅場をくぐり抜けてきた男の卓越した戦術眼は錆びつくどころか、ますます研ぎ澄まされていることが証明された。
「(相手の)2シャドーが(ゴールに)背を向けて受けるシーンがあった。意識して狙えれば、前向きにボールを奪えるし、自然とウチのインテリオールが良い形で受けられる。シャドーのところでボールを奪うことは相当意識した」
実行に移したプランも老練だった。あえてトラップさせておいて、ズレた瞬間に奪う――。うまく体を入れてことごとくボールを回収し、つなぎ役をまっとうした。
流れを読む目が発揮されたのは守備だけにとどまらない。「自分の長所であるリスクを冒したプレーをどこかでやりたいと思っていた」。その象徴が31分の同点ゴールの場面、チャンスと見るや、佐藤勇はアンカーの持ち場を離れてエリア内に侵入。町田からのパスを引き出し、ギャップを生んだことでゴールが生まれた。秀逸の出来だった2トップ、町田、山本真の右サイドに佐藤勇の“機転”が加わったことで、さらに破壊力が増したとも言える。
開幕から3カ月、アンカーだけでなく、大半のポジションで選手を入れ替えつつ戦ってきた。相性も含め、超攻撃的スタイルを最大限引き出すピースの組み合わせが固まりつつあるのは間違いない。(大林 洋平)