誰もがドロー決着を予感していたはず。そんなこう着状態を破ったのは試合終了間際の一撃だった。
試合序盤は、ともに中盤での奪い合いを繰り広げ、フィニッシュへの道筋を見いだせない。しかし時間が進むにつれ、山形が主導権を握り始める。リトリートして構える守備でパスコースを一つひとつ消して相手のミスを誘発。球際の争いでも相手に引けを取らない気迫を見せ、攻撃の芽を摘んでいった。
対する湘南は、ボールを持っても引いて構える相手の守備を崩し切れない。受け手と出し手の呼吸も合わず相手にボールを渡してしまう場面が散見。「かみ合わなかった」と野田も話すように、選手間の意思疎通ができなかった。もっとも、交代を織り交ぜて圧力を掛けた後半に訪れたチャンスを決めていれば自分たちのリズムで試合を運べたかもしれないが、得点に至らないまま時計の針は90分を指していた。
そんなスコアレス濃厚のムードを破ったのが山形の背番号39・中山だった。瀬沼からのパスを受けて反転すると、低弾道のミドルシュートをサイドネットに突き刺す値千金の決勝ゴール。直後、サポーターとともに喜びを爆発させたように、劇的な結末を迎えた山形が上位を追走する3連勝を果たした。
最後までゴールが遠かった湘南はホーム2連敗。この日は相手に脅威を与える攻撃ができたとは言い難い。もっと迫力を見せなければ得点は生まれない。(高澤 真輝)