堅く守ってチャンスを待つ。狙いどおりの2-0
両チームの戦い方のコントラストがより鮮明になったのは後半に入ってから。得意のボールポゼッションからチャンスをうかがう川崎Fと、特に中央のスペースを消して我慢強く守る横浜FM。リーグ戦27回目の神奈川ダービーも過去の歴史と同じ構図になった。長い時間ボールを持っていたのは川崎Fだが、決定機らしい決定機はオフサイド判定でノーゴールとなった80分の阿部のシュートシーンくらいだろう。負傷が癒えて先発復帰した横浜FMのボランチ・中町は「ボールを持たれていても圧迫感や威圧感はあまり感じていなかった」と涼しい表情で振り返る。ポゼッションで優位に立てなくても自陣ゴール前に釘付けにされたわけではない。脇を締めてしっかり守れば、低調な内容に終始した川崎Fを封じることは可能だった。
辛抱強く我慢した見返りは突如としてやって来る。53分、右サイドの天野が逆サイドに長いボールを送り、反応したマルティノスが体を投げ出して折り返す。ゴール前に入り込んだウーゴ・ヴィエイラが左足を鋭く振り抜き、横浜FMが見事な先制ゴールを挙げた。
失点した川崎Fがビハインドを追いかけて前へ出るのは自明の理だろう。実際に前述した阿部のシュートシーンは相手陣内に枚数を割いたことで生まれている。だが横浜FMの今シーズンの大きな武器であるカウンターの鋭さが最大限生きる展開でもあった。84分、GK飯倉のロングフィードに齋藤とマルティノスが反応し、最後は途中出場の富樫がループシュートを放つ。鮮やかなカウンターが追加点として結実した。
狙いどおりの2-0。ディフェンスリーダーの中澤が「チャンスが来るまで辛抱強く守っていくしかない」と言うゲームプランを完璧に遂行し、2連勝を飾った。(藤井 雅彦)