先制するも、町田は序盤から頻発していた問題を修正できず
25分に重松の直接FKで先制点を奪っても、それがチームファーストシュートだったように、町田がフィニッシュまで持ち込むには多くの時間を要した。シュート数がすべてではないが、試合の主導権を掌握できていたか。シュート数はその指標になり得るし、立ち上がりからアグレッシブに戦うことが町田のスダンダードならば、序盤から町田のペースで試合が推移していたわけではない。対戦相手の愛媛が左右にボールを散らして揺さぶりをかけ、ときには最終ラインの背後を突くことで、前後左右にコンパクトな町田の陣形に綻びを生むためのアプローチを繰り返していたことも影響したのだろう。前半からピッチ上では選手間で修正を図るコミュニケーションが頻発していた。
「最終ラインからファーストDFに『もう少し限定してほしい』という要望が出ていた」と井上。さらに「試合の入りがフワっとしていた」と感じた深津は、序盤から「球際が緩いぞ!」と声がけまでしていた。
そうしたチームとしての懸念材料が顕在化したシーンが68分。愛媛の左CB浦田のパスはミスキック気味だったとはいえ、最終ラインからの縦パス一発で同点に追い付かれてしまった。「ファーストDFが定まらずに、1失点目はボールホルダーにプレッシャーが掛かっていない状況だった」。井上はこの同点劇をそう振り返る。
さらに、失点のダメージを引きずった町田は失点直後の69分、左サイドから小池にクロスボールを入れられると、河原に逆転弾を押し込まれてしまった。
試合をひっくり返されたあとは、途中出場の吉濱が2度の決定機逸。それらが決まっていれば結果はまた違ったものになっただろう。しかし、守備がベースのチームに綻びが生まれていた状況を踏まえれば、痛恨の逆転負けは、必然の敗戦だったのかもしれない。(郡司 聡)