対戦相手の松本がイマイチ波に乗り切れていないという事情はあるにせよ、やはり10戦負けなしの水戸の勝負強さは伊達ではなかった。
前半は主導権をつかんだ松本が相手陣内へと攻め込み、水戸は耐えしのぎながらカウンターでスキをうかがう時間が続いた。しかし、松本は前半だけで10本ものシュートを放ちながら、前節・東京V戦でも見られた詰めの甘さが顔をのぞかせてしまう。多くの得点機を作りながらも決め切れず、セットプレーもわずかに精度不足で不発に終わる。
スコアレスのまま迎えた後半も同様の展開が繰り広げられたが、70分に試合が動く。水戸がペナルティーエリア右角外側付近でFKのチャンスを得ると、キッカー橋本の蹴ったボールにファーサイドの福井が反応する。松本DFの徹底マークをかいくぐりながら頭で合わせると、シュートはポストに当たりながらもゴールへと吸い込まれていった。
試合後、反町監督は「今季を象徴する試合。ここ最近の“あっさり失点病”が出てしまった」と顔を曇らせた。試合内容では五分以上ながら敗戦を喫した松本は、さすがに選手たちの表情も硬い。逆に苦戦を強いられながらも試合の勘所を逃さなかった水戸は、ついに松本から初勝利。前田不在という状況にあっても無敗記録を11試合へと伸ばすあたり、その粘り強さとしたたかさは“本物”だろう。(多岐 太宿)