大きく振ってほころびを突く。大岩監督の狙いが的中
ピッチをワイドに使って札幌の3ボランチを走らせ、できたほころびからスルーパスを狙っていく。シンプルかつ明確に選手に伝えられていた狙いがいきなりゴールを生んだ。
右サイドでパスを回しながら西がカットインしたタイミングで中村が動き出す。複雑に組み合わさった動きに札幌の守備陣は誰が誰をマークするのか共有できない。西のスルーパスに抜け出した中村に河合が慌てて対応に出るも、すでに後手に回っていた。逆サイドにふわりとしたクロスが送られると山本が高い打点のヘディングで合わせ、鹿島が開始2分で先制点を奪った。
さらに15分にも西のスルーパスに中村が抜け出す同じような形で相手を崩すと、今度はペドロ・ジュニオールが追加点。30分には速攻からペドロが抜け出し3点目。前節に続く前半でのゴールラッシュで一気に試合を決めた。
突然の監督交代から2試合目、さらに今季ホームでは2勝5敗とサポーターを裏切ってきただけに大岩監督は「個人的には力の入った試合。当然、選手にも発破をかけた」と、前半からアグレッシブに戦うことを要求。そのとおりの試合展開に「評価していいのではないかと思う」と選手をねぎらった。
しかし、後半になると札幌が「思い切って3トップにした」(兵藤)ことで、マークが明確となり鹿島のビルドアップが機能しなくなる。試合の主導権は札幌に移ったが、昌子を中心とした守備陣が奮闘。チャンスを作られるも体を張ったディフェンスで鹿島がクリーンシートを達成した。
文句なしの前半から後半にパワーダウンしてしまうのは前節同様の展開だったが、ゴールを許さず進歩した姿を見せた。
チームを引き継いだ大岩監督はこれで2連勝。2試合6得点と、順調な滑り出しとなった。(田中 滋)