先制しても勝ち切れない今季の鳥栖。攻め急いで相手のリズムにハマる
しっかりと準備していたはずの3バック対策だったが、それはハマらなかった。「(守備の)パターンがあったけど区別が難しかった」と鎌田が言うように、仙台の出方に対し鳥栖は混乱。「後ろが6枚並んでいるようなときもあった」とマッシモ・フィッカデンティ監督も話したように、鳥栖は極端に後ろに重くなってしまい、バランスを崩してしまった。仙台に大きなチャンスを与えたわけではないが、これにより前半はペースが上がらないまま終えてしまうことになった。
鳥栖は後半早々に先制に成功するが、ここから課題に直面してしまう。この試合を含め、リーグ戦15試合中11試合で先制しながら勝利は5試合のみ。結果としてこの試合も追い付かれてしまったが、試合運びの拙さがまたも露呈してしまう。小林は「奪ったあとの1本目のパス」を指摘する。リードしている以上、決して攻め急ぐ必要はないが、縦に速いのが鳥栖の特長でもあり、そこを意識するあまり簡単にボールを失い、追い付くために前に出たい相手とオープンにやり合ってしまう。それは相手がやりたいリズムで試合を進められてしまっているということだ。
仙台もリャン・ヨンギと中野を同時投入し、攻勢をかけてきたがオープンな展開になったことでリャン・ヨンギが受けるための、中野がしかけるためのスペースができていた。自分たちの強みを出して追加点を奪いにいくのは悪いことではないが、それができないときに相手の長所を消すことができていないのが鳥栖の現状だ。鳥栖はあまりに正直に戦い過ぎる。72分に中野に押し込まれた失点は必罰のようなものだろう。「チャンスで取れていれば」(鎌田)という試合ではあったが、先制しながら勝ち切れない今季の課題が依然として残っていることを示す試合でもあった。(杉山 文宣)