ストライカーの差は歴然。広島は6人のアタッカーを起用も不発
両チームにおいて、ゴールを獲得する役割を託すストライカーの差は歴然だった。「決め切る彼は本当に素晴らしい」と伊藤監督も絶賛した江坂の先制点はあっぱれで、大宮は背番号7の存在があるから、うまく試合を進められなくても焦れずに我慢できるのだろう。一方の広島は、シュート21本を放ちながら、途中出場を含めた6人のアタッカー全員が期待に応えられず、守備陣はあっさりと根比べに負けた。
柏がキックオフ直後からアクセルを踏み込み、ミキッチも加速。武器を振るいながら大宮に圧力を掛ける広島は、青山が再三ペナルティーエリア内に入って厚みのある攻撃をしかけた。しかし、試合のペースをガッチリと握って進めながらも、ゴールネットを揺らせずに前半を折り返すと、後半も攻勢に出たがゴールが奪えない。そして61分、自陣で野上のパスをカットされてカウンターを受け、江坂にペナルティーエリア内で左足を振り抜かれる。相手のミスから得た千載一遇のチャンスを大宮のエースは逃すことなく仕留め、チームを勇気づける先制点をもたらした。
ビハインドを負った広島はアタッカーを入れ替えながら大宮ゴールに向かい続けた。大宮が早々に5バックに変えて守備固めに入っても、途中出場の工藤と宮吉が巧みにスペースに動いてパスを引き出し、ミキッチと柏が強引にサイドからチャンスを作る。しかし、シュートが決まらない広島は焦りを募らせ悪循環にハマり込む。その一方で大宮は守備陣が最後の一線で踏ん張り、後半ロスタイムに広島のスキを突いて2得点。チーム全体がまとまって戦い抜いた。
たとえ厳しい内容でもゴールを決めれば勝てる。我慢強くストライカーのゴールを待つことのできた大宮は、降格圏からの脱出に成功した。(寺田 弘幸)