下位同士の対戦となったカードは、最下位の山口がリスタートからの2得点で連敗を『6』で止めるとともに、カルロス・マジョール監督就任後の初勝利を挙げ、得失点差で群馬を抜いて最下位を脱出した。
試合に関しては、「守備のバランスが必要だった」とマジョール監督が話した山口の戦略勝ちと言える。ともに3バックの布陣を敷く中、序盤は熊本がボールを握るが、山口は両ウイングバックだけでなくボランチも下がってスペースを消し、バイタルエリアから先への侵入を許さない。ボールを奪ったらサイドで優位性を作りつつ前へ運び、熊本の最終ラインをつり出して中へ送るという攻撃を見せる。岸田の先制点、星の追加点はともに個の技術の高さが光ったが、相手に与える圧力やゴール前、ペナルティーエリア内での思い切った判断も熊本を上回った要素だった。
熊本は水戸に逆転勝ちした天皇杯2回戦のイメージもあったが、「しっかりボールを動かさないと先に進めない」(池谷監督)という意図が強く影響し過ぎたのか攻撃のテンポが上がらず、米原のクロスをグスタボが合わせた79分の場面以外は決定的なチャンスをほとんど作れず。今季ワーストとなる5連敗を喫し、いよいよ降格圏の危険水域が迫ってきた。攻守両面に課題があるが、次節の東京V戦までにいかに修正できるか、チーム全体の本気度が問われる。
一方、勝った山口はここから、さらに加速したい。(井芹 貴志)