■サンフレッチェ広島
高まるモチベーション。攻撃陣の状態は◯
グループステージの最終節で横浜FMとの直接対決を制し、Bグループ3位に入ってプレーオフステージ出場を決めた広島。グループステージはリーグ戦からメンバーを大幅に入れ替えて経験の浅い選手も多く起用してきた。その中で手痛い敗北を喫するなど勝負弱さも露呈してきたが、経験を積みながら着実に自信を付けていき、自分たちで次のステージへの扉を開いてみせた。21日の天皇杯2回戦・鹿児島戦も含めるとカップ戦3連勝中。若いチームは拮抗した試合を制す力強さを見せ始めており、「カップ戦はタイトルを獲れるチャンスがある。そこを目指していくことが若手のモチベーションになるし、どうしても勝ちたい」と高橋は威勢よく語った。
同時にリーグ戦では苦しい戦いが続いているため、心の持ちようは難しい。特に得点が奪えていない現状は悩ましく、「FWとしてもどかしい」と語る工藤は「ピッチに立てていないので、チームをどうにかしたいけど、どうにもできないという悔しさがある」と複雑な心中を口にした。とはいえ、そんな状況でいま何ができるかが問われている。「出場したときにそれぞれの選手がやるべきことをやる。いまはそれしかない」と工藤は言い、FC東京戦をにらんだ。
試合はまずFC東京の攻撃にしっかりと対応するところからスタートしたい。「FC東京はリーグ戦からメンバーを代えてきたとしてもほぼ同レベルの選手が出てくる」(森保監督)。1対1が多くなるオープンな展開にならないよう組織的に守り、奪ったボールを正確に前に入れていきたいところだ。「前の3人で良いものを見せられる自信はある」(工藤)。アタッカー陣の状態は良い。(寺田 弘幸)
■FC東京
篠田トーキョー、原点を取り戻すための戦い
公式戦3連敗中のチームの雰囲気は、当然良好とは言えない。それに加えて中2日での連戦。FC東京は負の空気をかき消すことができなければ、泥沼にハマっていく可能性がある。
直近のリーグ戦は磐田に0-2の完敗を喫した。さらに前半途中に負傷交代した大久保嘉は26日に病院で検査し、右足首の骨挫傷ならびに右脛のじん帯損傷で全治約4〜6週間という重傷の診断を受けた。天皇杯を含む公式戦3試合をすべて落とし、さらにエースの離脱。ダブルパンチを食らったかのようなFC東京は、このまま負の循環に陥ってしまうのか。
篠田監督はチームの現状をこう語る。「(大久保)嘉人は攻撃の中心。離脱は痛い。さらに試合も負けているので、チーム全体の士気も下がりがちになっている。何とか嘉人が戻ってくるまでに、良い状態にしないといけない」。特にここ最近は戦い方のバランスがはっきりしない試合が続く。前線から中盤、DFが前方向に連動して激しいプレッシングを掛ける戦い方が昨季好調時の篠田トーキョーの基本線だった。今季も開幕当初は献身的な戦いぶりで勝ち点を稼いだが、その強度が徐々に低下している。
大久保嘉の主張により、少しずつ攻撃連係に改善が見られてきたが、反対に守備の連動性や激しさを失っていくという流れに。そしていまでは、能動的にボールポゼッションするにしても、前からボールを奪いに行くにしても、意識がバラバラな状態だ。
皮肉にも大久保嘉が負傷離脱したいま、チームは再度プレッシング&ショートカウンターに回帰すべきかもしれない。今回の広島戦は勝敗のみならず、原点を取り戻せるかの試金石にもなる。(西川 結城)