松本の反町監督が「松本にはない気候で、移動も含めて苦労した」と話すほどの蒸し暑さの中で行われたゲームだったが、アウェイの松本が勝利した。
立ち上がりから、前節・熊本戦で連敗を止めた山口が勢い良く攻め込む。受ける松本は回されてもシュートは打たせないと言わんばかりにがっちりと守る。ホームの声援を背に勢いを増す山口だったが16分、ボールのないところで岸田が警告を受けてゲームが中断。当事者たち以外何が起きたか分からず静まり返る中、松本のFKでゲームが再開されると、一瞬のスキを突いて抜け出した工藤が先制ゴールを決めた。岸田の警告は“装飾品の着用”だった。
この得点で流れが一気に松本に傾いたが、挽回したい山口は岸田が前線から執ようにプレスを掛けてボールを奪い、徐々に流れを取り戻す。すると40分、その岸田が絶妙なトラップでゴール前に持ち込んでシュート。こぼれ球を受けた三幸が落ち着いて左足で蹴り込み、前半のうちに山口が同点に追い付いた。
後半はベンチワークで試合が動いた。松本は開始から1トップに高崎を投入し、その高さを起点に主導権を握る。80分、山口は岸田に代えて大石、松本は工藤に代えてセルジーニョを投入。すると5分後に明暗が分かれる。先に決定機を得た大石はシュートを外し、セルジーニョはヘディングで決めた。チャンスは平等にあったが、最後は個の力によって“暑い”ゲームは決した。(田辺 久豊)