■川崎フロンターレ
課題を一つずつクリアしながら進める歩み
シーズンの半分となる17試合目。相対するは近年激しいバトルを繰り広げている浦和。後半戦を前に、首位を狙える好位置につけておくためにも勝ち点3を上積みしておきたい。ホームで迎える今節のゲームは、何としても勝利が欲しい一戦となる。
川崎Fの視界は良好だ。前節の神戸戦では、攻撃陣が爆発し5得点の大勝。ここ数試合で課題となっていた先制後の“追加点”もしっかりと克服し、チームとしてはずみのつく勝利を手にすることができた。「ちょっとずつ課題をつぶしながらやれていて、それを次の試合に生かせている」と中村。毎試合対戦相手こそ違うものの、試合をこなすごとに出てくる課題を一つずつクリアにしていく。そうすることで、川崎Fは着実に歩を進めながら上位を追いかけ始めている。
もちろん浦和は一筋縄ではいかない相手だ。前節は劇的な勝利を飾っており、勢いを取り戻してくる可能性は高い。だが、「もともと勢いのあるチームだし、あまり深く考えずにやることが大事」と阿部は言う。いまは相手の状況に目を向けるのではなく、自分たちに焦点を当てた戦いをする。いつもと変わらない姿勢で挑む重要性を鬼木監督も説いている。
「やってきていることを続けるほうが大切な時期なので、自分たちのサッカーで勝ち切ることが大事。自分たちの強みを出していくことが、一番勝利に近いのかなと思う」
チーム状況は上向き。内容に結果もついてきている。あとは「対戦相手が違ってもやることは一緒。相手の対策をどう上回るかが大事になる」(中村)。前半戦の最後に迎えるビッグマッチ。強敵を打ち破り、ピッチで勝利の歌を響かせる。(林 遼平)
■浦和レッズ
課題は残されたまま。思い出したい本来の狙い
ペトロヴィッチ監督の大声、いや怒号が響きわたっていた。前節の広島戦から2日後、そして川崎F戦の2日前となる3日、浦和はトレーニング前に予定していなかったミーティングを実施。そこで発せられた指揮官の声が室外にまで聞こえてきた。
ペトロヴィッチ監督は広島戦後、「相手がいる中で、守備に入っている選手が見てしまうような状況は決してあってはならないだろうし、相手が攻めにくる中で戻らないという状況があってはならない」と話していたが、3日のミーティングでは第12節・清水戦からの自分たちの失点シーンを映像で検証した模様。守備の要である遠藤は最後の局面が「個人戦術」であるとしながらも、「一人ひとりのちょっとしたポジショニングはみんな分かったのではないか」とその意義を感じていた。
そして翌4日、川崎F戦の前日練習では主力と見られるチームが中盤がダイヤモンドになる[4-4-2]のフォーメーションを採った。ペトロヴィッチ監督は「スモールフィールドの中で立ち位置が違って見えたかもしれない」と煙に巻いたが、守備時も含めて明らかに4バックであり、前線も興梠とラファエル・シルバが並び、柏木がその下に入った。実際にその形で臨むかは不明だが、[4-2-3-1]の川崎F戦を前に守備面でのテコ入れ策を探っているのだろう。
昨季アウェイの川崎F戦は、攻守の切り替えと前線からのプレスが機能し、1-0というスコア以上に相手を圧倒。「出来の良い試合の一つ」(武藤)だった。残されている課題を一気に改善することは容易なことではないが、少しずつでもつぶしながら、ACL準々決勝の前哨戦でもあるこの試合で昨季の再現を狙う。(菊地 正典)