前半終了間際の高崎2発、後半のセットプレーで効率的に3得点
両チームには負けられない理由があった。およそ2カ月、ホームでの勝利から遠ざかっている松本。対する横浜FCも3連敗という負の連鎖を断ち切らねばらない。夏場の戦いに向けて、リーグ後半戦初戦の白星で勢いをつけたいという事情もあった。
前半に主導権を握ったのは横浜FC。イバを中心にアタッカー陣が序盤から躍動し、松本は自陣に押し込まれる展開となる。しかし、「イバという絶対的存在に、どう対応するかということを1週間考えながらやってきた」と試合後に総括したのは反町監督。苦しい場面は作られながらも、組織的ディフェンスで対抗。無失点のまま耐えしのぐと、前半終了間際に試合は動いた。右サイドからのFKのチャンスに、ゾーン守備の横浜FCの裏をかく動きから高崎が頭で合わせて先制。その直後にも高崎が後方からの浮き球パスをまたも頭で押し込み、効率的に2点を奪う。
「セットプレーには注意して対応したが、その上をいかれた」と唇をかむ中田監督だったが、2点を追いかける横浜FCは後半頭から攻勢を強める。ここで1点を返すことができれば、その後の展開は分からなくなったはずだ。しかし、松本はサイドを薄くしても中央に人数を割いてはじき返す粘り強い守備を実践し、辛抱強くゴールを死守。すると61分には再びセットプレーのチャンスをつかみ、橋内のダメ押しゴールが飛び出して試合は事実上決した。
横浜FCにとって痛恨だったのは、切り札の不在。高さのある大久保、あるいはスピードに長けた津田が終盤に投入されれば、また違った展開となったはず。しかし、増山と齋藤の若手両名は流れを変えるには至らず、試合終了間際の89分にPKからイバが一矢報いる1点を返すにとどまった。(多岐 太宿)